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人間の証明

「かあさん、ぼくのあの帽子どうしたでしょうね・・・」「Mama Do you remember...」郷愁を誘う西条八十の詩と、おそらくそれをそのまま英訳したかと思われるジョー山中の主題歌。まだ少年だったぼくの記憶にもしっかりと残っている大々的なプロモーション。日本の映画に一時期「角川映画」と言うジャンルが存在したのですが、その代表作、故松田優作さん主演の「人間の証明」を公開から30年ぐらい経って、ようやっと見ることができました。これも例によって、公開当時、まだ小学生か中学生だったのですが、本を買って読んでいます。ま、内容はすっかり忘れているんですが。

もうすぐ竹野内豊さん主演でドラマ化されるようですが、連続ドラマとしては、映画公開後のものから約30ぶりのドラマ化となります。「白い巨塔」などに続く二番煎じ路線なのですが、第二次世界大戦直後の日本を背景にしたものを、どううまくアレンジできるかに期待と不安が入り混じります。

で、映画のほうなのですが、主演の松田優作さんをはじめ、三船敏郎さん、鶴田浩二さん、岡田茉莉子さん等非常に豪華な顔ぶれです。個人的には、植木等に遅れを取った感のあるハナ肇さんのさえない刑事っぷりに好感を覚えました。

ニューヨークのスパニッシュ・ハーレムの青年ジョニー・ヘイワード(ジョニー山中さん)が、日本にやって来てナイフで刺されて死亡します。「ストーハ」と言う謎の言葉を残して。これが一本目の縦糸で、物語は、基本的にこの事件の犯人を追うものになります。ジョニーは、「麦藁帽子」「西条八十詩集」の二点を残しているのですが、ニューヨーク市警からの報告により、「キスミー」に行くと言って、旅立ったことがわかります。

ジョニー・ヘイワードは、八杉恭子(岡田茉莉子さん)というデザイナーのショウが行われているホテルのエレベーターで倒れるのですが、この八杉恭子の息子の群恭平(岩城滉一さん)を、ひき逃げの容疑者として追いかけるというのが二本目の縦糸。

これに、その両方の捜査を担当する棟居刑事(松田優作さん)の、父を殺した米軍兵士達を憎む思いが横糸となってストーリーが進行していきます。

ストーリーの進展にしたがって、ジョニーの母への愛、八杉恭子の群恭平への愛、棟居刑事の米兵への憎しみが渦をなしていきます。テーマを盛り込みすぎたのか本来中心と思われる「ジョニーの母への愛」の部分があまり上手に描けているように感じられず、横糸である(とぼくは思った)「棟居刑事の米兵への憎しみ」だけがクローズアップされてしまったように見えてしまいました。タイトルにしても、八杉恭子が話す言葉の中に若干物語のテーマを感じなくはないのですが、蛇足なエンディングのおかげで、八杉恭子自身が人間ではない証明をしてしまうので感動のしようもありません。

日本映画としては初(?)のニューヨークでの本格的なロケ-なんとカーチェイスまであります-を行ったおまけにつけてしまったエンディングも、さらに蛇足です。すなおに、主題歌のシーンだけで終わらせていれば、ぼくの評価ももう少し上がるんですが。

そうは書いてしまいましたが、ここのところ昔話題になった映画をずいぶん見るようになりましたが、よろしくないで気のものが多すぎる気がします。そんななかでこれは、二時間一気に見せてしまうぐらいの力はあるので合格点なのではないでしょうか。


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